【流動性通貨①】$BNT Bancor/準備金によって流動性リスクを回避し、取引所なしでの取引を実現

【流動性通貨①】$BNT Bancor/準備金によって流動性リスクを回避し、取引所なしでの取引を実現

Bancor ($BNT)って知っていますか?

どうも、QASHを応援しているMHです。僕はQASHがフィンテック業界に革命を起こし、仮想通貨の流動性を確保する未来を信じています。

しかし、流動性の問題の解決を目的とする仮想通貨はQASHだけではありません。他にも様々な方法で流動性を高めようとしている通貨があります。

そこで、QASH以外の流動性を高める通貨に関する【流動性通貨】シリーズの記事を書いていきたいと思います。

まず流動性って何?QASHってどんな通貨?という人はこれらの記事からご覧下さい

まずシリーズ第一弾の仮想通貨は

$BNT-Bancor(バンコール)です!!

あまり知られていないかもしれませんが、Bancorも流動性を確保するための仮想通貨です。以前、QASH のテレグラムで QASH とBancorは何が違うのか、という話題が上がっていた記憶があります。

Bancor($BNT)とは?

Bancorは準備金を保有することで、流動性リスク(売りたくても売れない、買いたくても買えない)を解消する仮想通貨です。

Bancorはイスラエルの企業が開発しており、2017年6月にICOが行われ、数時間で1億5300万ドル(174億円)もの資金調達に成功しました。ICOの時点でかなり期待されていたのが分かります。これまで多くのICOが行われてきましたが、この額の資金調達に成功したのはそのなかでもごくわずかです。ちなみにQASHはICOで1億1200万ドルの資金調達を行いました。一概に多ければ良いというものではないですが、ICOでの資金調達額はBancorの方が多いです。

ICOについて、面白い動画を見つけたので、紹介します。ICOの地域と金額を時系列順に可視化した動画です。

最終的にBancorは真ん中下、QASHはその右側でかなり大きな円として表示されています。Bancor,QASH共にICOの中でも、大きなものであったことが分かりますね。

Bancorは、もともとは70年以上前に考えられたものです。

バンコール(bancor)は、1940年から1942年ジョン・メイナード・ケインズエルンスト・フリードリッヒ・シューマッハーが提案した超国家的な通貨のことを言う。第二次世界大戦後に世界経済を安定させるため、英国ブレトン・ウッズ会議でバンコールの導入を公式提案したが、アメリカ合衆国の合意をとりつけることができず、実現には至らなかった。(Wikipedia参照)

このBancorと仮想通貨としてのBancorは別物ではありますが、考え方を引き継いでいます。

Bancorの仕組み

BancorはQASHと同様に流動性を高めるシステムを持っています。その仕組みについて解説します。少し難しい話になりますが、なるべくかみ砕いて説明していこうと思います。

BancorProtocolとは

まずBancorを説明するうえで、Bancor Protocolは必ず知っておかなければいけません。「そもそもプロトコルって何?」と思うかもしれませんが、プロトコルとは、コンピュータ上での決まりや約束事のことです

つまりBancor Protocol とは Bancor発行元が作ったルールのことを言います。

次に「ルールなのは分かったけど、何についてのルール?」と疑問に思うでしょう。これはかなり大事な部分なのですが、Bancor Protocolは通貨の価格決定についてのルールです。

つまり BancorとはBancor Protocolによる独自の価格決定方法によって、流動性リスクを回避し、流動性を高める仮想通貨です。これを理解すれば、細かい仕組みが分からずとも50%Bancorを理解したといってもいいと思います。(流石にちょっと大袈裟かもしれませんww)

流動性リスクを回避する方法

Bancorは流動性リスクを回避する通貨である、と言いました。流動性リスクとは、売りたくても買い手が見つからないために売れない、買いたくても売り手が見つからずに買えない、という流動性が低いことで発生するリスクのことです。

つまり、流動性リスクを回避するとは、買いたい人が見つからなくても通貨が売れる、売りたい人が見つからなくても通貨が買える状態になるということです。取引相手がいないのに取引が出来るわけがない、と思う人もいると思います。僕も最初思いました。

しかしこれを可能にする方法があります。通貨のホルダー同士で取引をするのではなく、発行元と取引をする方法です売りたいときには発行元が買ってくれる、買いたいときには発行元が売ってくれる、という状態にすることで流動性リスクは解決されます

例えば、中央銀行(国の中心となる銀行、日本で言えば日本銀行)は、国際取引のために一定の量の外貨を持っています。日本銀行もアメリカドルやユーロを持っていて、これによってスムーズに日本円と外貨との交換が出来ます。アメリカに旅行に行くから円をドルに変えたいと思ったら、銀行で日本円をドルに変えますよね。わざわざ日本円が欲しいアメリカ人とお金を交換する人はめったにいないと思います。

このお金のことを準備金と言いますが、 Bancorはこれと同じように準備金のシステムを導入しています。

準備金によって、発行元がその取引通貨( BNTの場合はETH )を持っておくことで、通貨のホルダーが常に売買出来る状態に保つことが出来ます。

BancorProtocolの内容

ここまでで BancorはBancor Protocol というルールに基づき、準備金を用いて流動性リスクを解消するということが分かったと思います。

しかし準備金を用意しても「準備金よりも多く交換したい人が出てきたらどうするの?」と思った人がいるかもしれません。ここがBancor Protocol のポイントであり、そのようなことが起こらないように作られています。どのような仕組みなのかBancor Protocol の詳しい内容について見ていきましょう。

先ほどBancor Protocol は価格決定のルールだと言いましたが、細かくはこの数式によって価格が決定されます。

(BancorWPより)

price=通貨の単位当たりの価格
connector balance=準備金総額
Smart Token’s outstanding supply=通貨の総発行量
CW(connector weight)=準備金比率

色々難しいですが、ここで大事になってくるのがCWです。Connector Weight の略で、発行通貨の時価総額の何%分の取引通貨を準備金として保持するかを表します。CWは、通貨の発行者があらかじめ決め、変化することはありません。常にその割合の準備金を持つことで、その準備金を用いて通貨の取引ができます。

(この式は上の式を変形しただけです。Smart Token’s total valueは通貨の時価総額のことで、price×Smart Token’s outstanding supply(通貨の価格×発行量)で求められます。)

例えばBancorはCW=0.1、取引通貨がETH(イーサリアム)なので、 発行元は常にBancorの時価総額の10%分のETHを持つことになります。現在(2018 3/2)のBancorの時価総額は211億円ほどなので、約21億円分のETHを発行元が準備金として持っているはずです。

 

ここまで大丈夫でしょうか。難しい人はとりあえず上の式で値段が決まり、CWっていう変化しない値がある、ということだけ押さえておいてください。ここからBoncor Protocolの肝となる仕組みの説明に入ります。

CWが一定になるよう通貨の発行量と価格が変化

先ほど言ったようにCWは発行元が最初に決めてしまい、以降変化しません。でもCWが変化しないと言っても、通貨が買われれば準備金は増えるし、売られれば準備金は減ります。そこでCWが変化しないように、時価総額(つまり発行量と価格)を変化させます

BancorはCW=0.1のETHを準備金として保持しており、時価総額が200億円とします。このとき、誰かが1億円分のETHでBancorを購入したとしましょう。準備金(connector balance)のETHは1億円分増加します。これにより準備金が21億円となるので、Bancorの発行量が増加したり、価格が上がったりして、時価総額が210億円まで増加します。これによりCW=0.1が保たれるということです。逆にBancorが売られ、準備金が減少すれば、発行量が減少(これをBurnといいます)したり、価格が下がることで、CW=0.1を保ちます。

価格は動的に変化

また価格は取引の間にも変化します。先ほどの例のように1億円分のBancorを購入するとき、最初に表示されているレートで全てが交換できるわけではありません。

なぜならBancorを1BNT購入⇒価格上昇⇒1BNT購入⇒価格上昇⇒…と繰り返し価格が変化するからです。(最小単位が1BNTなのかどうかは分かりません。)つまり大量にBancorを購入した場合、最終的に価格が上昇しているため、買う時に表示されていたレートで買うよりも少し量は少なくなります。

 

これらの仕組みにより、Bancorが全て売られるまで、準備金が尽きることはありません。そして取引所がなくとも自動で価格が決定されます。これはBancor Protocolの凄いところで、取引所などなくとも、常に売買できる状態をキープできることになります。

BancorProtocolに従う通貨は取引所が必要ないため、取引所の利益となるスプレッドが全くありません。これも超魅力的です。

発行量の増減や価格の変化の詳しい式などが知りたい人は、Bancorのホワイトペーパーで確認してみてください。興味がない人はここに書いてあることを理解していれば、十分だと思います。

スマートトークン

ここまでBancor Protocolの内容について細かく説明しました。説明した通り、Bancor Protocolはルールのことなので、Bancor以外の通貨にも適用することが出来ます。Bancor Protocolに従う通貨を、スマートトークンと呼びます

もちろんBancorはBancor Protocolに従いますが、現在はBancor以外にもスマートトークンは増えています。スマートトークンは発行するための準備金は必ずしもBancorである必要はありません。

BancorProtocolの応用

BancorNetwork(バンコールネットワーク)

BancorはETHを準備金として保持しています。ここで仮にMHというスマートトークンがBancorを準備金として発行されたとすると、MHはETH⇔BNT⇔MHというルートが形成され、間接的ですが、MHとETHの交換が可能となります。

この準備金を用いたつながりのことをBancor Networkと呼びます

BancorNetworkはスマートトークンが増えるほど、拡大していきます。

Token Relay(トークンリレー)

スマートトークンどうしはBancor Networkで繋がりますが、それだけでは全通貨をスマートトークン化しなければ、仮想通貨全体の流動性が上がりません。しかし、通常のトークンをBancor Networkに乗せる方法があります。それがToken Relayです

例えばMHという通常のトークンがあったとします。このままではMHとBancorはBancor Protocolに従った形での取引は出来ません。そこでMHとBancorを準備金として保持するスマートトークン「MHBNT」を発行します。MHBNTのCWは合計が1となるように設定すれば、完全に仲介のためだけのスマートトークンとなり、Bancor Protocol上でMHの取引が可能となります。

Token Baskets(トークンバスケット)

先ほどToken Relayで二種類の準備金を持ったスマートトークンによって、Bancor Networkが拡大できました。準備金が3種類以上のスマートトークンのことをToken Basketsと言います。

例としてはBancor、ETH、MHという3つの通貨を準備金とする「BEMバスケット」という通貨があったとします。BEMバスケットはBancor、ETH、MHの3つの通貨の価格によって決まるため、MHの価値が下落したとしても、Bancor、ETHの価値が変わらなければ、BEMバスケットの価格の下落は緩やかになります。単純に準備金がMHだけでのときよりもリスクを分散させることが出来るということです。Token Basketsを購入することは、準備金となる通貨のセットを購入するようなものです。

BancorProtocolのまとめ

BancorProtocolについて解説してきましたが、これは本当にすごいシステムですね。今のところ大きな欠陥も見つかっていないようです。少し難しい話が多かったので、要点を簡潔にまとめると

BancorProtocolのまとめ・Bancor Protocolとは、独自の価格決定のルールである。

準備金を発行元が保持することで、常に売買が出来る。

・準備金の量に応じて、通貨の価格と発行量が変化し、準備金が尽きることはない。

・Bancor Network上の通貨とは、取引所なしで取引が出来、スプレッドが全くない

・複数の種類の通貨を準備金とすることで、通常のトークンとスマートトークンを繋ぐことが出来る。(Token Relay)

・3種類以上の通貨を準備金とすることで、分散投資が出来る。(Token Baskets)

色々調べていく中でBancor Protocolが本当に優れたシステムであることがよく分かりました。特に取引所を介する必要がないのがすごいですね。

Bancor自体の存在意義

BancorProtocolがすごいのは分かっていただけたと思ますが、ここまで来て僕には一つの疑問が生じました。それは「Bancorいらなくない?」ということです。

せっかくBancor Protocolが多く採用され、スマートトークンが増えてきても、それがBancorという通貨の需要には繋がりません。取引所トークン(例えば、Binanceの$BNBやKuCoinの$KCSなど)は取引所を利用するときにかかる手数料の割引などのメリットを設けることで、取引所の規模と通貨の需要がマッチするようになっていますが、Bancor Protocolは取引所が必要のない優れたルールであるために、それも出来ません。

スマートトークンの準備金をBancorにしなければいけない仕様にすれば、Bancorの需要も高まってくると思いますが、そのような仕様にはなっておらず、先ほど言ったようにスマートトークンの準備金はBancor以外の通貨でも問題ありません。これは開発がBancor Protocolの拡大を優先したためでしょう。

しかし、開発も何らかの形で資金を手に入れなければ、開発も続けていけません。今後、Bancorの需要が生まれるようなアップデートがあるでしょうから期待して待ちましょう。

Bancorの現在の価格

Bancorの現在の価格はこのようになっています。

さいごに

今回はBancorについて紹介しました。取引のプラットフォームを持つQASHとは異なり、Bancor Protocolによって流動性を高める通貨ですが、Bancor自体の需要に関しては問題を抱えています。ただ将来有望であるのは間違いないので、今後の開発でその問題が解決され、大きな欠陥が発見されなければ、まだまだ価値は上がっていくのではないかと思います。今後に注目ですね。

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