金融庁の仮想通貨規制について。海外取引所とICOの規制はどうなる?

金融庁の仮想通貨規制について。海外取引所とICOの規制はどうなる?

今回は日本の仮想通貨の規制について、現在の状況と今後の見通しについて、個人的な見解を交えながら、書こうと思います。

規制の必要性と重要性

世間から見た仮想通貨の現状

「仮想通貨」という言葉は現在ではかなり広く浸透しています。
ニュースなどに登場する回数も増え、取引所のCMも多く放送されていることから、積極的に情報収集をしない層にまで認知され始めました。


仮想通貨への興味関心、CC流出後も4人に1人が購入意向ありより

この調査結果からも分かるように、仮想通貨自体を全く知らない人はかなり少なくなっています

ただ、マウントゴックス事件、コインチェック事件などが大きく報道された結果、多くの人が良いイメージを持っていないのも事実です。

仮想通貨への興味関心、CC流出後も4人に1人が購入意向ありより

これも先ほどの記事のものですが、実際に仮想通貨を購入したことがある人は3%にとどまっています


これに関しては「仮想通貨」という言葉自体にも原因がある気がしますね。

また、仮想通貨の拡大に伴い、資金だけ集めて運営が逃亡するスキャム(詐欺)ICOや仮想通貨を使った詐欺なども発生しています。

世間一般から見れば、細かく調べたりしない限りは、仮想通貨は「怖い」「リスクがある」ものだと考えてしまうのは自然なことだと思います。

規制の目的と効果

日本は現在、国として仮想通貨の規制を進めています。
金融関連の規制を管轄するのは金融庁の役割です。
規制の最も大きな目的は投資家保護です。
仮想通貨は既存の投資商品に比べて、かなりボラティリティが大きい(=価格変動が激しい)です。
そのため、仮想通貨について右も左も分からない人が、軽い気持ちで投資するのはかなりリスクがあります。
そのようなことがないように、決まりを作ってリスクを減少させなければいけません。

また、正しい方向に業界を発展させることも目的の一つです。
素晴らしい技術は、生活を豊かにする反面、悪用されれば恐ろしい事態を招く可能性もあります。
これはいつの時代にも言えることです。
例えば仮想通貨で言えば、マネーロンダリングに使われたり、犯罪組織の資金源となってしまうリスクが懸念されます。
新たな技術を正しく活用するためにも、ルールを作って管理する必要があります。

規制というのは規律を作ることなので、今まで出来たことが出来なくなります。
また、国に管理されることが仮想通貨の大きな特徴である「非中央集権」に反しているという指摘もあります。
そういったこともあり、反対している人もいるでしょう。

しかし僕個人は規制には超賛成しています。
なぜなら、国が規律を作らないと、世間一般まで仮想通貨が広まっていくとは思えないからです。
放っておいて、仮想通貨が保守的な人たちに浸透するでしょうか。
僕はかなり厳しいと思います。
最近のコインチェックのNEM盗難事件で、印象が地の底まで堕ちているのでなおさらです。
世間の仮想通貨のイメージを変え、仮想通貨が世に広まっていくかためには規制は必要なのではないでしょうか。

適度な規制が必要

先ほども言った通り、僕は規制は必要だと考えています。
ただし、いきすぎた規制は業界の衰退をもたらす危険性もあります。


これは仮想通貨界隈では有名なブロガーのイケダハヤトさんのツイートですが、本当にその通りだと思います。
規制の結果としてブロックチェーンという新たな技術の可能性まで奪ってしまうのでは、何の意味もありません。

そういう意味でも仮想通貨が世界中で知られ始め、規制が始まりだしている今が、仮想通貨の将来を決める最も大事な時期なのかもしれません

現在の規制の状況

上ではなぜ規制が行われるのかについて、書きました。
では現在どのような規制が行われているのでしょうか。
世界中で様々な動きがありますが、主に日本について解説していきたいと思います。

現在行われている規制

仮想通貨法

日本では2017年4月に資金決済法が改正され、仮想通貨に関する項目が追加されました。
この法律を仮想通貨法と呼んだりもします。
仮想通貨法により、仮想通貨は正式に決済手段として認められました。

また仮想通貨法によって、仮想通貨交換業者(取引所)は内閣総理大臣の認定を受けないと運営が出来なくなりました。
現在運営している主要な取引所はほとんど仮想通貨交換業者として認定されていますが、コインチェックは登録申請中の「みなし業者」として運営しています

最初に登録を受けた業者(QUOINEXなど11社)が公表されたのが2017年9月なので、そこから半年近く経過しています。
みなし業者のまま、運営し続けることは出来ないでしょうから、登録されない限りどんどん厳しい状況になっていくでしょう。
金融庁が全「みなし業者」を立ち入り検査 締め付け強化で事業運営に影響の恐れ│産経ニュース

ただその他に国としての規律はなく、日本は仮想通貨の規制はかなり緩いです。
世界的にも仮想通貨に友好的な立場を取っています。

結果として、ブロックチェーン技術の拡大にも貢献しているので、私たちにとっても、日本にとっても、Win-Winだと思います

自主規制団体

仮想通貨交換業者の登録制度の導入する際、金融庁だけでは管理が難しいため、業界団体と金融庁の2つで仮想通貨業界の規制を進める枠組みが取り入れられました。

仮想通貨業界というのは、様々なことが起こり、目まぐるしく変化し続けています。
そのため、金融庁だけでなく、実際に仮想通貨に関わっている現場による規制があった方が、より安全という判断でしょう。

現在自主規制団体として存在するのは、
JCBA(Japan Cryptocurrency Business Association:日本仮想通貨事業者協会)
JBA(Japan Blockchain Association:日本ブロックチェーン協会)の2つです。

新規に取り扱う仮想通貨に関する規制が、自主規制団体の主な役割です。
仮想通貨には何千もの種類があり、現在も増え続けています。
中には、詐欺のために作られたものもあり、信頼できるもの以外は取り扱うべきではありません。
ただし、現状自主規制団体自体が審査をするような制度ではなく、社内審査を行うことや、その通貨についての書類を作成し提出するなどの決まりがあるだけです。

自主規制は実際にはほとんど機能していないと言われています。
そもそも自主規制団体が2つあることに問題がありますよね。
JCBAとJBAは今まで何度も統合する可能性が報道されていますが、未だに統合には至っていません。

つい最近もそのような記事が出ていました。
仮想通貨取引所の業界団体、4月統合へ 自主規制ルールづくり急ぐ│Newsweek
しかし、統合を決定した事実はないと、両者から公式に発表されています。
2018年2月16日、一部報道に関してコメントを掲載いたしました│JBA
一部報道につきまして│JCBA

個人的には早く統合して、仮想通貨業界が一体となって、新規に取り扱う仮想通貨の審査の基準などをはっきりした方がいいのではないかと思います。
それぞれ会員は業務がかなり忙しくなかなか難しいのかもしれませんが、JBA側のコメントによると進展はあるとのことなので、期待はして待ちましょう。

麻生金融相

現在の財務大臣は、麻生太郎氏ですが、仮想通貨を前向きに捉えてくれています。


このタイミングで財務大臣が麻生さんで本当に良かった。
全力で応援します!

今後の規制について

次に今後日本で行われるであろう規制について考えたいと思います。

海外取引所の規制

現在、仮想通貨交換業を登録制にしているにも関わらず、海外の取引所で自由に取引が出来ます。
海外の取引所では、国内の取引所では扱っていない銘柄が多く扱われているため、利用している人も多いのではないでしょうか。

Binanceの日本語表記廃止

その中でも、最も有名なのか香港の取引所Binanceです。
多くの銘柄が上場しており、日本人の利用者もかなり多い取引所です。
仮想通貨の取引高で世界一になったこともあります。

Binanceは元々ホームページで日本語表記が選択することができ、他の海外取引所と比べてもかなり使いやすいUIでした。
日本語で利用出来ることが日本人の登録が多かった要因の一つだと思います。

しかし今年の1月に日本語表記がなくなりました。
日本の金融庁から取り除くように指示があったためです。
恐らく仮想通貨交換業の登録をしていないBinanceが日本市場に向けて運営していることを良しとしなかったのでしょう。

現在はBinanceは日本語表記での利用は出来ませんが、今まで通り利用は可能です。

海外取引所の問題点

金融庁が海外の取引所で最も問題視していることは、多くの銘柄が取引可能なことでしょう。
仮想通貨は価格変動が激しく、そのために投資家保護のために規制をしている状況です。
金融庁は全ての通貨について把握出来ているわけではないため、海外の取引所を利用するとリスクも大きくなってしまいます。

またそもそも日本人が海外の取引所を利用できるということは、その取引所が日本に許可を得ないまま営業していることになります
これはbitFlyerの加納CEOが記事の一部分を取り上げて、ツイートしていました。


国内の取引所からすれば、よく思わないのは当然です。

今後の海外取引所の規制

ただ仮想通貨というのは、非中央集権が大きな特徴であり、国での管理はかなり難しい状況です。
一部を規制するとなると、様々な問題が発生します。

また、取引所自体を非中央集権化したDEX(分散型取引所)も出てきています。
DEXは管理者が存在しないため、規制はほとんど不可能です。
これはイケダハヤトさんもツイートしていました。

個人的な考えでは、今後金融庁は海外の取引所に対して何らかの形で措置を取るでしょう。
しかし、最終的には海外取引所はリスクを承知の上でなら、利用できる状態で残ると思います
なぜなら、先ほど言ったように規制が実質不可能に近く、実際に海外のFX業者に対しては金融庁は全く取り締まることが出来ていないからです
ただし先ほどの加納CEOの反応のように、国内の取引所からは反発もあるでしょうから、国内への規制を緩めるなどして対応する可能性もあると考えています。

ICO規制

ICO(Initial Coin Offering)とは、仮想通貨を発行して販売することで資金を調達する方法です
去年はICOがかなり盛り上がっていたので、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

ICOは株のように配当を払う必要もなく、比較的簡単に行えるので、開発者にとってのメリットも大きく、世界中で様々なICOが行われました。
短時間で数百億円相当の資金を調達したICOもあります。

日本でも、ICOは行われています。
この中で代表的なのが、以前記事にしたQASHです。

QASH とは?QASHとLIQUIDの機能,今後,将来性などを完全解説

ICOの問題

去年多くの人がICOで利益を得たことで、大きな話題になりました。
しかし現在では仮想通貨の数が増えすぎたため、ICO時の値段から下げるものが多くなっています
同じ分野での競合も多くなっており、適切に判断しないと損をする可能性が大きいです。

また、ICOのプロジェクトが詐欺で、調達した資金をそのまま持ち逃げされることが増えています。

今後のICO規制

ICOは証券会社や証券取引所の審査が必要なIPO(新規株先公開)とは違い、特に審査が必要にありません。
ホワイトペーパーをネット上で提示するだけで資金調達ができ、なおかつトークンホルダーは株主のように会社の経営に介入することも出来ないため、事業者にとってのリスクがかなり低いです

逆に考えると、投資家のリスクが大きいということになります。
現在はICOについて明確に法律に記されているわけではないので、投資家保護を目的として今後何らかの形で規制されるでしょう。

しかし、ICOで得た資金は「売上」として扱われるため、国としては大きな税収が期待出来ます
(ICOの法的整理│創法律事務所参照)
そのため金融庁としても厳しい規制は行わないのではないかと考えています。

ただしICOを行うには、仮想通貨交換業者として登録されていないといけないため、事業者自体が行うのは大変ハードルが高いです。
現在の登録業者に委託する形で行われるでしょう。


QUOINEXは厳選したICOを金融庁と相談して実施していく予定のようなので、国内のICOにも期待しましょう。

【取引所紹介】遂に時代到来か?QUOINEXの詳しすぎる解説

世界での動き

仮想通貨の規制に関しては世界中で様々な動きがあります。
中国のようにICOを完全に禁止してしまう国もあれば、日本のように仮想通貨に対してポジティブな規制を行っている国もあります。
各国の細かい状況については、こちらの記事にまとまっているので、ご覧ください。
世界各国の仮想通貨規制状況まとめ│CoinPost

3月にはG20が行われますが、そこでも仮想通貨の規制について話し合われるようです。


仮想通貨を技術革新として前向きに捉えた議論を期待したいですね。

さいごに

今回は仮想通貨の規制について、考えてみました。
日本は世界的にかなり早い段階で法律を作ったおかげで、仮想通貨大国となっていますが、今後の国の動きによってまだ今後は大きく変わります。
全て非中央集権がいいのかと言われればそんなことはないでしょうが、確実にブロックチェーンの技術は世の中を豊かにするポテンシャルがあります。
日本が中心となって、仮想通貨を活用する方向に持っていければ最高だと思います。

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